フリーランスの手取りは何割残るか|月額単価50〜100万円の早見表(令和8年分・自前計算)

自前実装・テスト済みの計算 フリーランス

この記事の要点

  • 手残り率は単価が上がるほど下がる。月額50万で68.4%、100万で61.5%
  • 単価80万の年間手取りは6,072,267円。時給では単価5,000円に対し手取り3,163円
  • 国民健康保険は自治体差が大きく本来は前年所得ベース。概算であり税務相談ではない

この記事は税務相談ではありません。ここに書く数値は概算です。正確な税額や手取りは、税務署または税理士に確認してください。

当サイトは確定申告の税金計算を自前で実装し、計算機として公開しています。本記事の数値は、その実装と仕様書から取った値です。取得日は2026年10月28日、対象は令和8年(2026年)分の確定申告です。定数は2026年10月時点で確認したものです。単価計算の検証テスト(tools/test_tanka.py)は22項目が通過し、失敗は0件でした。

先に示す計算の前提と注意点|税務相談ではなく概算です

早見表は、次の前提で計算しています。自分の条件と比べながら読んでください。

  • 稼働は12か月です。
  • 経費は売上の10%です。
  • 青色申告特別控除は65万円です。青色申告特別控除とは、一定の帳簿をつけて確定申告する個人事業主に認められる所得からの控除です。
  • 年齢は39歳以下です。40〜64歳は国民健康保険(国保)の介護分がかかり、料率2.25%・均等割16,600円が加わります。国保は会社員が入る健康保険とは別に、自営業者などが加入する医療保険です。
  • 個人事業税は非課税業種として税率0にしています。プログラマやSEは法定業種に当たらない場合があり、税率0を選べます。どの業種に当たるかは税務署・税理士に確認してください。
  • 国保は所得割10.31%(医療7.51%+支援2.80%、葛飾区・令和8年度)、均等割65,200円(医療47,600円+支援17,600円)です。
  • 単価は税抜の月額で入力しています。税抜とは消費税を除いた金額のことです。

国保は本来、前年の所得で決まります。この計算では当年の所得で概算しています。また国保は自治体ごとの差が大きく、既定値は葛飾区の料率です。料率は計算機で変更できます。

手取り計算機で、料率・年齢・経費率を自分の条件に変えて試せます。フリーランスの手取り計算シミュレーションをご覧ください。

単価別の早見表|50万円で68.4%、100万円で61.5%が手元に残る

月額単価(税抜) 年商 税・社保の合計 年間の手取り 手残り率
50万円 6,000,000円 1,296,188円 4,103,812円 68.4%
60万円 7,200,000円 1,745,561円 4,734,439円 65.8%
70万円 8,400,000円 2,161,650円 5,398,350円 64.3%
80万円 9,600,000円 2,567,733円 6,072,267円 63.3%
90万円 10,800,000円 2,983,658円 6,736,342円 62.4%
100万円 12,000,000円 3,419,422円 7,380,578円 61.5%

出典は、当サイト計算機の実装による計算値です(令和8年分の定数、2026年10月時点)。

単価は50万円から100万円へ2倍になります。しかし年間の手取りは4,103,812円から7,380,578円で、2倍にはなりません。手残り率も68.4%から61.5%へ下がります。

手残り率が単価とともに下がるのは累進税率のため

累進税率とは、課税所得が多いほど高い税率が上の段の部分にだけかかる仕組みです。所得税の税率は次のとおりです(令和8年分)。出典は当サイト計算機の仕様書(令和8年分、2026年10月時点で確認)です。

課税所得 税率 控除額
1,950,000円以下 5% 0円
3,300,000円以下 10% 97,500円
6,950,000円以下 20% 427,500円
9,000,000円以下 23% 636,000円
18,000,000円以下 33% 1,536,000円
40,000,000円以下 40% 2,796,000円
それを超える 45% 4,796,000円

所得税は「累進税率×1.021」で計算しています。1.021は復興特別所得税の2.1%です。

所得税には基礎控除もあります。合計所得が2,350万円以下の範囲では控除額は次のとおりです。出典は同じく当サイト計算機の仕様書(令和8年分、2026年10月時点で確認)です。

合計所得金額 基礎控除額
4,890,000円以下 1,040,000円
6,550,000円以下 670,000円
23,500,000円以下 620,000円

基礎控除は、所得が増えると段階的に減り、2,500万円超で0円になります。住民税は所得割10%の一律です。均等割5,000円、森林環境税1,000円、基礎控除43万円が別にあります。これらの住民税の定数も、同じ仕様書の値です(令和8年分、2026年10月時点で確認)。

単価が上がると課税所得は上の段に入ります。そのため手残り率は下がります。この記事では表にない単価の課税所得は計算していません。

時給に直すと差が見える|単価80万円は5,000円が3,163円になる

時給は、月160時間を基準に計算しています。160時間は、準委任契約の精算幅140〜180時間の中間です。精算幅とは、契約で定めた稼働時間の下限と上限のことです。

月額単価 単価ベースの時給 手取りベースの時給 差額
50万円 3,125円 2,137円 988円
60万円 3,750円 2,466円 1,284円
70万円 4,375円 2,812円 1,563円
80万円 5,000円 3,163円 1,837円
90万円 5,625円 3,509円 2,116円
100万円 6,250円 3,844円 2,406円

単価ベースの時給は税抜単価÷160、手取りベースの時給は手取り÷(稼働月数×160)です。出典は当サイト計算機の実装による計算値(令和8年分、2026年10月時点)です。

単価80万円では、単価ベースの5,000円に対し、手取りベースは3,163円です。差は1,837円になります。筆者の感覚では、月額の数字より時給に直したほうが、手元に残る額の差を実感しやすいと感じています。精算幅の話は準委任契約の精算幅140〜180時間を実際に外した話にまとめています。

単価80万円の内訳|年商960万円から何がいくら引かれるか

項目 金額
年商(税抜) 9,600,000円
経費(売上の10%) 960,000円
国民年金(月額17,920円×12) 215,040円
国民健康保険 844,636円
所得税(復興特別所得税込み) 852,024円
住民税 656,032円
個人事業税 0円
手取り 6,072,267円

出典は当サイト計算機の実装による計算値です(令和8年分、2026年10月時点)。

計算は次の順で進みます。

  • 事業所得=売上−経費−青色申告特別控除
  • 社会保険料控除=国民年金+国保
  • 所得税の課税所得=事業所得−社会保険料控除−基礎控除−配偶者控除−扶養控除
  • 手取り=売上−経費−所得税−住民税−事業税−社会保険料

国保の844,636円は、所得税の852,024円とほぼ同じ大きさです。国保は所得に料率をかけて決まるため、所得税と並べて見ておく必要があります。配偶者控除と扶養控除は、この早見表では適用していません。

この計算に含めていないものと、税込単価で入れたときのずれ

含めていない項目 理由・扱い
消費税の納税額 インボイス登録の有無や簡易課税の選択で大きく変わるため
小規模企業共済・iDeCo 「その他の所得控除」として利用者が自分で入れる形
医療費控除・住宅ローン控除 同上
国保の前年所得ベース 本来は前年所得で決まる。当年所得での概算
国保の自治体差 既定値は葛飾区。料率は利用者が変更できる

税込単価を税抜として入れると、結果が大きくずれます。税抜は単価÷1.10で計算します。月額80万円・12か月の場合、税込扱いは8,727,273円、税抜扱いは9,600,000円です。年間で872,727円(約87万円)の差になります。出典は当サイト計算機の実装による計算値です(令和8年分、2026年10月時点)。単価が税込か税抜かは、契約書で必ず確認してください。

控除の扱いも注意が必要です。この早見表には、青色申告特別控除65万円、基礎控除、社会保険料控除(国民年金と国民健康保険)を入れています。入れていないのは、小規模企業共済やiDeCo、医療費控除、住宅ローン控除です。これらは使えるかどうかが個人の状況で変わるため、計算機では利用者が自分で入力する形にしています。該当する控除がある人は、実際の手取りがこの表より多くなります。どの控除を使えるかは税務署か税理士に確認してください。

商流でエンジニアの単価がどう減るかは、商流マージン計算機で試せます。単価が要員に渡るまでの流れはエンジニアの単価が手取りになる割合|商流で決まるで扱っています。

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