この記事の要点
- スマレジの「初期費用0円」はソフト利用料のこと。iPad・プリンター・ドロワーは自前で用意します。
- POS+の初期費用28万〜73万円には機器一式と設置サポートが含まれます。同じ言葉が別のものを指しています。
- POS+は業種を選んだ時点で価格が決まります(美容28万・飲食36万・小売42万・飲食+ハンディ73万、税抜)。
- スマレジは有料申込なしで30日過ぎると無料プランへ自動移行し、課金されません。
- 総額を揃えると差は10万円前後。判断軸は「サポートに月いくら払うか」になります。
POSレジを調べ始めると、「初期費用0円」という表示を必ず目にします。開業準備中の方から見れば、本当に0円で始められるのか気になるところだと思います。
そこで、スマレジとPOS+(ポスタス)の2社に実際に資料請求し、配布資料の料金表を突き合わせました。以下の数値はすべて2026年9月22日に各社へ資料請求して入手した配布資料に記載されていたものです。公式サイトの表示とは更新タイミングがずれる可能性があります。
2社の「初期費用」は同じ言葉で別のものを指していた
結論から書きます。スマレジとPOS+の「初期費用」は、比較できる数字ではありませんでした。同じ単語ですが、指している範囲が違います。
| スマレジ | POS+ | |
|---|---|---|
| 初期費用 | ¥0(アプリのダウンロードのみ) | ¥280,000〜¥730,000(税抜) |
| ハードウェア | 自分で用意(iPad・プリンター・ドロワー) | 初期費用に一式込み |
| 設置・設定 | ¥44,000(税込)の任意オプション | 導入・設置サポートが初期費用に込み |
| 月額 | ¥0〜¥15,400(税込) | ¥14,000〜¥18,500(税抜) |
| 無料で使い続けられるか | スタンダードプランなら永年¥0 | 資料に無料で使う選択肢の記載なし |
スマレジの0円は、ソフトの利用料が0円という意味です。レジとして動かすiPad、レシートプリンター、現金を入れるキャッシュドロワーは、自分で買って揃えます。
POS+の28万円は、その機器一式と設置作業まで含んだ金額です。払う金額は大きいですが、届いた時点で使える状態になっています。
つまり「スマレジ0円 vs POS+28万円」という並べ方自体が成立していません。スマレジ側にはハード代が、まだ足されていないからです。総額を揃えた比較は、この記事の後半で行います。
POS+は業種を選んだ時点で初期費用が決まる:28万円から73万円まで

POS+は業種別に4つのブランドに分かれています。そして、どのブランドを選ぶかで初期費用が先に決まります。「POS+は初期28万円」とだけ書いている比較記事がありますが、それは最も安いブランドの金額です。
| ブランド・構成 | 初期費用(税抜) | 初期費用(税込) | 月額(税抜) |
|---|---|---|---|
| beauty(美容サロン) | ¥280,000〜 | ¥308,000〜 | ¥14,000〜 |
| healthcare(クリニック・整体院) | ¥280,000〜 | ¥308,000〜 | ¥14,000〜 |
| food(飲食・レジ1台) | ¥360,000〜 | ¥396,000〜 | ¥14,000〜 |
| retail(小売・レジ1台) | ¥420,000〜 | ¥462,000〜 | ¥14,000〜 |
| retail(小売・レジ2台) | ¥590,000〜 | ¥649,000〜 | ¥14,000〜 |
| food(レジ1台+ハンディ5台) | ¥730,000〜 | ¥803,000〜 | ¥18,500〜 |
いずれも配布資料では「〜」付きの表記でした。構成によって上振れする可能性がある金額だと読めます。
差額は「何を基準にした差か」で変わります
ここは誤読が起きやすい部分です。基準を必ず添えます。
- beauty(28万円)を基準にした場合:food レジ1台は+8万円、retail レジ1台は+14万円、retail レジ2台は+31万円、food+ハンディ5台は+45万円
- food レジ1台(36万円)を基準にした場合:food+ハンディ5台は+37万円
- retail レジ1台(42万円)を基準にした場合:retail レジ2台は+17万円
「ハンディ構成は45万円高い」という書き方は、美容サロン向けプランとの比較です。飲食店の方が実際に判断するときは、food レジ1台との差である37万円のほうが意味を持ちます。
何が入って、その金額なのか
food レジ1台(税抜36万円)の内訳は、資料に次のように記載されていました。
- POS(タブレット)×1
- レシートプリンター×1
- キャッシュドロワー×1
- アクセスポイント×1
- 導入・設置サポート
ハンディ5台の構成では、これにルーター×1、オーダーハンディ(OES)×5、キッチンプリンター×2が加わります。OESはホールで注文を取り、厨房へ飛ばす端末のことです。
retailがfoodより6万円高い理由も資料に書かれていました。バーコードリーダーとカスタマーディスプレイ(客側に金額を表示する画面)が標準構成に入るためです。機器が増えた分、そのまま価格差になっています。
beautyとhealthcareは同額・同構成でした。子機タブレットは9台まで対応し、電子カルテ作成、Web予約フォーム、DMの自動配信が付きます。
food側の仕様では、オフライン利用が可能である点と、多言語(英語・中国語簡体繁体・ベトナム語・韓国語)が標準装備である点が明記されていました。
POS+の月額はレジ台数ではなく機能で決まる
料金表を横に見ていくと、月額の動き方が独特でした。レジを2台に増やしても、月額は変わりません。
| 構成 | 月額(税抜) | 月額(税込) |
|---|---|---|
| beauty / healthcare | ¥14,000〜 | ¥15,400〜 |
| food レジ1台 | ¥14,000〜 | ¥15,400〜 |
| retail レジ1台 | ¥14,000〜 | ¥15,400〜 |
| retail レジ2台 | ¥14,000〜 | ¥15,400〜 |
| food レジ1台+ハンディ5台 | ¥18,500〜 | ¥20,350〜 |
月額が上がるのは、foodのハンディ構成だけでした。資料によれば、月額の内訳はPOS利用料です。ハンディ構成では、これにOES利用料が加算されます。
台数課金ではなく機能課金、という構造です。小売でレジ2台を検討している方にとっては、初期で17万円(retailレジ1台比)増える一方、月額は据え置きという読み方になります。
スマレジは30日過ぎると自動で無料プランに落ちる:課金されない仕組み

「無料お試しのあと、うっかり課金されるのでは」という不安があると思います。スマレジの資料には、そうならない旨が明記されていました。
登録から30日間は全機能が無料で使えます。そして有料プランの申込がないまま30日が経過すると、自動的に無料のスタンダードプランへ移行し、課金されません。
プランとサポートの対応表
| プラン | 月額(税込・1店舗) | 1日あたり | サポート |
|---|---|---|---|
| スタンダード | ¥0 | — | メール |
| プレミアム | ¥5,500 | 183円 | メール |
| プレミアムプラス | ¥8,800 | 293円 | メール+コールセンター |
| フードビジネス | ¥15,400 | 513円 | メール+コールセンター |
| リテールビジネス | ¥15,400 | 513円 | メール+コールセンター |
ただし無料のスタンダードには制限があります。商品点数は1,000件まで、店舗は1店舗のみです。2店舗目を出す予定がある方は、この条件を先に確認しておくほうがよいと思います。
一方、機能を拡張するアプリマーケット(130個のアプリ)は、スタンダードから利用できると記載がありました。無料プランだから何も足せない、というわけではありません。
電話がつながるのは月額8,800円から
サポート体制は次のとおりでした。
- ヘルプデスクの365日電話受付 9:00〜22:00:プレミアムプラス以上のみ
- メールサポート 平日10:00〜18:00:全契約者が無料
- AIチャット:24時間365日
- NECフィールディング(全国400拠点)と提携したオンサイト保守
- サーバー稼働率 99.998%
営業中にレジが止まったとき、電話で人に聞けるかどうかは月額¥8,800(税込)のプレミアムプラスが分かれ目になります。ここは後述する判断軸に直結します。
会社情報も資料に記載がありました。東証グロース上場(証券コード4431)、設立2005年、大阪本社、従業員435人(2025年4月末時点)、資本金11.56億円、累積取扱高は2023年に5兆円を突破、とのことです。
スマレジの0円に含まれない費用:設置44,000円とネット回線の1年縛り
スマレジ側の不利な条件も、資料から読み取れた範囲で書きます。
導入サポートは別料金
| 項目 | 価格(税込) |
|---|---|
| セットアップ(機器設置・設定) | ¥44,000 / 1店舗 |
| トレーニング(従業員向け操作説明会) | ¥44,000 / 1回 |
| 上記のうちリテールビジネスプランの場合 | ¥88,000 |
機器の設置と設定を任せるなら¥44,000、スタッフへの操作説明会を頼むならさらに¥44,000です。POS+ではこの部分が初期費用に含まれています。ここが「0円」の外側にある費用です。
もちろん自分で設置すれば0円のままです。iPadの設定に抵抗がない方なら、省ける費用だとも言えます。
ネット回線サービスには最低1年の縛りがある
スマレジは店舗用のネット回線「ネットおまかせサービス」も提供しています。こちらには契約条件が付きます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期費用 | ¥22,000(税込)※資料記載時点では無料 |
| 月額 | 3GB ¥2,200 / 5GB ¥3,300 / 20GB ¥3,850 / 50GB ¥8,470 / 無制限 ¥13,750 |
| 最低利用期間 | 1年 |
| 途中解約 | 残月数 × 各プラン月額を請求 |
| 機器 | レンタル。解約時に返却 |
たとえば3GBプランを半年で解約した場合、残り6か月分が請求される計算になります。閉店や移転の可能性がある段階では、この1年という期間を頭に入れておくほうが安全です。
なお、スマレジのPOSプラン自体に最低契約期間があるかどうかは、配布資料に記載がありませんでした。縛りがないとは書かれていません。未確認の項目として扱います。推奨ハードウェアの実売価格も、資料には載っていませんでした。
総額を揃えて比較する:美容サロン・レジ1台での初期と月額
定義が違う2社を、同じ条件に乗せます。美容サロン・レジ1台を想定した場合です。
| スマレジ | POS+ beauty | |
|---|---|---|
| ソフト初期費用 | ¥0 | ¥308,000(税込) |
| ハードウェア | 自前で用意。10〜15万円程度(概算) | 初期費用に込み |
| 設置代行 | ¥44,000(任意) | 込み |
| 初期合計の目安 | 約15〜19万円 | 約31万円 |
| 月額 | ¥0〜¥15,400(税込) | ¥15,400(税込)〜 |
1点、はっきりさせておきます。スマレジのハードウェア10〜15万円は、配布資料の数値ではありません。iPad、レシートプリンター、キャッシュドロワーを揃えた場合の運営者による概算です。機種や中古の利用で変動します。ここだけは一次情報ではない、と理解して読んでください。
その前提で見ると、初期費用の差は約10万円強です。当初の「0円 vs 28万円」という28万円差からは、かなり縮まります。
そして月額側で逆転が起きます。スマレジはスタンダードなら¥0で続けられます。POS+は¥15,400(税込)〜が毎月かかります。
ただし条件は対等ではありません。POS+は導入・設置サポートが初期費用に含まれます。月額(POS利用料)にサポートが含まれるかは配布資料に記載がなく、未確認です。スマレジのスタンダードはメールサポートのみで、商品点数1,000件・1店舗の制限が付きます。金額だけでは判断できない部分が残ります。
判断軸は「サポートに月いくら払う価値を置くか」と、まだ確認できていない5項目
どちらが得か、という結論は出せません。資料を突き合わせた範囲で言えるのは、判断が分かれる軸が1つある、ということです。
軸は「困ったときに人に聞ける状態」にいくら払うか
スマレジで電話サポートを受けるには、プレミアムプラス(月額¥8,800・税込)以上が必要です。メールとAIチャットで足りる方なら、月額を大きく下げられます。逆に、営業中のトラブルを電話で解決したい方は、その分の月額を見込む必要があります。
POS+は導入・設置サポートが初期費用に含まれます。月額は¥14,000(税抜)〜です。ただし、その月額にサポートが含まれるかどうかは配布資料に記載がありませんでした。少なくとも導入の段階では、人の手が入る前提の作りだと読めます。
ざっくり言えば、こう分かれます。
- 手を動かすのが苦にならず、初期投資と固定費を抑えたい → スマレジ寄り
- 設定も設置も任せて、開業準備の手数を減らしたい → POS+寄り
開業日から逆算するなら、POS+は3週間を見込む
POS+の資料には、導入期間は契約から3週間程度と記載がありました。流れは次のとおりです。
- お問い合わせ
- 商談・見積・契約
- 導入説明会(WEB)・設定
- 現地調査・納品・設置
- 利用開始
現地調査と設置が入るため、直前の申込では間に合わない可能性があります。開業日が決まっている方は、逆算して動くほうが安全です。
今回の資料では分からなかった項目
正直に書きます。次の項目は配布資料に記載がなく、未確認です。
POS+について
- 最低契約期間
- 解約金
- 「初期費用0円プラン」の適用条件
- 端末が買取かレンタルか
- 決済手数料(キャッシュレス端末は外部連携との記載のみ)
- 月額に含まれるサポート範囲
スマレジについて
- POSプラン自体の最低契約期間
- 推奨ハードウェアの実売価格
特に注意したいのが、POS+の「初期費用0円プラン」です。ポスタス公式やアフィリエイト側の説明には0円プランへの導線があります。しかし今回入手した配布資料の価格表は¥280,000〜¥730,000でした。0円プランは別建てで、通常の資料には載っていないと考えられます。
0円の条件が何か(契約期間の縛りか、月額への上乗せか、対象構成の限定か)は、この資料からは判断できません。検討する方は、商談の場で「何が0円で、何が有料になるのか」を直接確認することをおすすめします。
これらの未確認項目は、次の商談で聞いた内容を追記していきます。

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